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8月 葉月の会席料理

土用あけの暑さひとしおでございます。残暑お見舞い申し上げます。

ここバンコクでは、毎日のように雨が降り、さほど猛暑という訳ではありませんが、健康には留意され、夏風邪にはご注意ください。さて、旧暦では8月1日を「八朔(はっさく)」といいます。 この日は徳川家康が江戸城に移った日であることから江戸開府の日として徳川時代では、この日は正月に次ぐ祝日でした。 また「八朔(はっさく)」は、農民にとって大切な祝日で「田の実の節句」と呼んで田の実である新穀を配って贈答し合う習慣があります。この「田の実(たのみ)」を「頼み」にかけ、武家や公家の間でも、日頃お世話になっている (頼み合う)人に、その恩を感謝する意味で贈り物をするようになります。現在、日本で世話になった人々に贈り物をする「お中元」は、もともと中国の道教に由来する年中行事で (上元(1月15日)、中元(7月15日)、下元(10月15日) の三元)、中国仏教では、この日に祖霊を供養する「盂蘭盆会(うらぼんえ)」を催します。これが日本では神道と習合して「お盆」の行事となっています。 先祖の霊を迎え、送る行事として、瓜(うり)や茄子(なす)など初物の野菜を供えて祀ります。

「天翠」八月のお献立は、口当たりのよい、さっぱりとした涼味をとり入れた暑さをしのぐお献立です。

見た目にも涼しげな<八寸>で食指を促し、夏らしい「摺り流し」の<椀盛>に、<お造り> 鮪の平作り・金目鯛の湯霜作り・鯵のたたきの三点盛り。そして、スズキの切り身に枝豆をすりつぶしたペーストをのせて焼いた「ずんだ焼き」は、さわやかな色と味が楽しめます。

煮物は冷やし鉢にした加茂ナスに冬瓜(とうがん)。冬瓜は冬の瓜と書くのですが、旬は夏。熟れると皮が硬くなって冷暗所で保存すれば冬までもつということで、こう呼ばれます。利尿作用が強く、体を内側から冷やしてくれるので、まさに夏にはありがたい食材です。(暑い地域では体を冷やす野菜が育ち、寒い地方では体を温める野菜が育つといいます。自然とともにあれば、おのずと調和のとれた食事になるということです。)

次に揚物穴子の二見揚げに、夏に出回る新レンコンのはさみ揚げ。夏場の穴子は脂がのっておいしくなります。(焼き穴子は寿司や茶碗蒸しの種に、他にも蒲焼き、穴子飯、天ぷら、ごぼうを巻いて八幡巻きにと色々たのしめる魚です。)蓮根は、穴があいている事から「先が見える」「見通しがきく」などと縁起の良い食べ物で、慶事には欠かせない食材です。

強肴は、ウナギの蒲焼きを胡瓜と大根で薄く巻いた「きぬた巻き」。酢の物としてミョウガと一緒にさっぱりと召し上がってください。(ちなみに、夏の「土用の丑の日」に食べるウナギは夏バテ予防で有名ですが、ウナギは冬眠に備えて身に養分を貯える晩秋から初冬にかけての時期が、一番脂がのって美味しいので、通の人はウナギの蒲焼きを冬に食べるといいます。)

お食事は、塩焼きにした落ちアユを使って、ほろっとにがい風味豊かな「鮎飯」です。

そして止椀、シジミの赤出汁。蜆(しじみ)の旬は春ですが、蜆汁は、肝臓に良く「土用蜆」といって盛夏によく食べられます。滋養に優れ糖尿病や寝汗にも効果があります。

水果子は有の実。梨「なし」は料理屋の献立では「ありのみ(有の実)」という反対の意味を持たせた呼称を使います。以上、今月の会席料理も是非お愉しみ頂けたら幸いです。


八月 葉月のお献立

お一人様:3,000 Baht の内容です。

- 先付 -

本日の酒菜

- 八寸 -

西瓜小メロン
夏鴨塩糀蒸し (しおこうじむし)
鮴甘露煮 (ごりかんろに)
子持ち烏賊チーズ
蜀黍真薯(モロコシしんじょう)
小茄子田楽
粒貝雲丹和え(つぶがいウニあえ)

- 椀盛 -

蟹摺り流し (かにすりながし)
蟹味噌豆腐、オクラ
口 山椒

- 造り -

日本産鮮魚のお造り
芽もの、妻もの、山葵

- 鉢肴 -

鱸(すずき)ずんだ焼き
山葵辛煮、ハジカミ

- 冷製煮物 -

加茂茄子胡麻味噌掛け
楓冬瓜、叩き海老
天 木の芽

- 揚物 -

穴子二見揚げ、蓮根挟み揚げ
パプリカ、美味出汁

- 強肴 -

鰻砧巻き(うなぎきぬたまき)
酢取り茗荷、吉野酢

- 食事 -

鮎飯

- 止椀 -

しじみ赤出し汁

- 水菓子 -

有の実 (ありのみ ⁄ 梨)

※献立内容は仕入れの状況により替わる場合がございますので、ご了承ください。
ご予算、目的に応じコースメニューをご用意いたしますので、お気軽にご相談下さい。